おはようございます。
年功序列とか終身雇用というと、なんだか色褪せた古い価値観のように思われるかも知れません。一生同じ会社で勤め続けるという意識はもはや若い方にはないかも知れませんし、能力が高い人がより高いお給料をもらうべきだと思う人も多いと思います。長いこと会社にいないかも知れないとなると、上司も部下を育てるということもしなくなるかも知れませんし、会社が人を雇う時にも即戦力つまり直ぐに会社の利益に貢献してくれる人を雇うようになります。短期的な利益追求を考えた場合にはもしかしたら正しい考え方なのかも知れません。では、年功序列はやっぱり古くて役に立たない価値観なのでしょうか?実はそうではありません。組織が永続的に続くためにはむしろ合理的な仕組みなのです。お釈迦様がおられた時代の仏教教団では、1日でも早く、1時間でも早く出家したものが先輩という決まりがありました。そこに身分の差は関係ありません。お釈迦様がいよいよ入滅つまりご往生されるにあたりお弟子たちがお釈迦様にこれから私たちはどうしていったら良いでしょうかと尋ねられました。自灯明法灯明という何を拠り所とすべきかという話と共に、年功序列を守りなさいと言われたそうです。組織を安定させるためには能力をモノサシにせずに、入門した時期が早いか遅いかをモノサシにしたほうが良いというのです。中にはこのことに不満を持つ者もいたでしょうが、組織の拡大よりも永続を重視した場合には、年功序列が適しています。お供物を配るのにも先輩から配る、座る順番も先輩から座る、そうすればいちいち悩まなくて済むわけです。仏教以外の世界を見渡してみると、落語の世界もそうなのかも知れませんね。知名度や面白さなどではなくて、入門時期の早い遅いで兄さん弟つまり上下が決まっているように見えます。日本は世界的に見ても100年以上続く老舗が多い国なのだそうです。これも実は年功序列に支えられてきたのかも知れませんね。今は無くなってきたけど永いこと大切にされてきた価値観には永く大事にされた理由がちゃんとあります。もう一度目を向けてみましょう。
それでは、今日も手を合わせることから1日を始めましょう。